ブルゴーニュについて

ブルゴーニュ




フランスでは、ブルゴーニュは王様 ボルドーは女王と言われています。

ボルドーが熟成した味わいは、タンニンが溶け込みがまろやかかつ芳醇で、それでいてインパクトがあり女王に例えられます。
それに対してブルゴーニュのグランクリュには、王様と呼ぶにふさわしい品格と力強さがあります。

コート・ド・ニュイはブルゴーニュで最も「品格と強さ」を秘めた赤ワインの宝庫です。
唯一の赤ワイン品種ピノ・ノワールは気高くエレガントなワインが出来ますが、生育環境を選ぶという気難しさがあります。

ブドウの成熟期に程よい日照と気温がありつつ、それでいて朝晩はしっかりと涼しくなる気候が求められます。
それが満たされた時にだけ、限りなく深く精妙な芳香と酸味の表情を見せます。
毎年の作柄の良し悪しが重視される由縁でもあります。

トップレベルの生産者を選べば、難しい年でもその年の特徴を生かして上手に造っていますから、ヴィンテージはあまり気にしなくてもいいと思われます。
ただ、若いワインは風味が固いので、特級畑ならヴィンテージから10年は熟成させたいですね。

特級・一級の格付け畑で栽培された極上のブドウは、年月を重ねることによって初めて、風味が渾然一体となった至高の赤となります。

飲み頃となった古いヴィンテージはどこでも手に入る訳ではありませんが、探し出すだけの価値はあると思います。


格付けトップは特級・1級畑

優れた生産者が畑の特徴を表現する

ブルゴーニュでは畑が細分化されており、小区画をさらに分割所有する事が多くあります。
また小規模の生産者が多いため「どこの区画のブドウで、誰が造ったか」の組み合わせが無数にあるのも特徴です。
3つの地区とも、AOCによる格付けで4層構造となっています。
一番広いのが地域名で、その中に村名で区域が限定され、村の中にある畑に格付けされるものがあります。
グランクリュ(特級畑)の数は少なく、プルミエクリュ(1級畑)はかなり多くあります。


シャブリ地区

石灰質土壌から生まれる香り

シャルドネから造る世界中の白の中で、シャブリほど真似の出来ない個性を持ったものはないでしょう。
貝殻などが海で堆積した石灰質地層から、石や鋼にも例えられる硬質でひんやりとしたミネラルの風味がワインに与えられます。
だが大半はプティ・シャブリあるいは村名シャブリの格付けで、味わいは薄いか辛目で深みに欠けることが多いのが現状。
このクラスでシャブリの特性を味わうには、優れた生産者を選ばなくてはなりません。
一方1級畑はシヤブリ地区に数多く、品質は玉石混交です。

ラベルにプルミェクリュと~かれているのが1級畑です。中でも覚えておきたい畑名は、モン・ド・ミリュー、コート・ド・レシエ、モンマン、ヴァイヨン、モンテ・
ド・トネール、フルショームなどです。

優れた1級畑に囲まれるようにして、地区中央に位置するのが特級畑です。
ひとつの斜面に広がる7つの区画では、この地区で最高のブドウが出来ます。
特級畑の味わいは酸味も果実味も凝縮され、非常にパワフルです。これを長年熟成させることによってのみ、シャブリの真髄が味わえます。

コートドールでは、山から平地への斜面にジグソーパズルのように区切られたブドウ畑が連なります。
斜面の中腹は水はけがよく、断層があるなど土壌の構成が場所によって大きく異なります。
特級畑は土質や日当たり、風通しなどの条件か整っています。


コート・ド・ボーヌ地区

シャルドネが描き出す、風味の妙

モンラッシェとコルトン・シャルルマーニュ。誰でも聞き覚えのあるこの特級畑は、コートードーボーヌにあります。
ここに特級畑は8つしかなく、造られるのは大半が白。しかし、数多く控えている1級畑の多くでは、赤白両方の生産が認められています。
ここの赤ばコート・ド・ニュイほどパワフルではありませんが、控えめな味わいの中に、なめらかな果実味と豊かな個性があります。
赤で双璧をなすのはヴォルネイとポマールで、ボーヌのワインを知る上で、この二つの村は欠かせません。
本当に上質な赤は決して多くありませんが、畑によってはコート・ド・ニュイに匹敵するような味わいのものがあります。

コートード・ボーヌの主役はと言えば、やはり特級畑の白です。
世界で最も偉大な白とされる特級畑モンラッシェは、リッチでパワフルですが非常に高価なので、特別な機会に飲みたいワインです。
手頃な価格の、コルトンシャルルマーニュなどの特級畑や、優れた1級畑の白であれば、ふくよかさと優美さ、力強さのバラエティー、そしてさまざまな畑の特徴特徴を充分に味わえます。
コート・ド・ボーヌの白ば、味わいだけでなくバリエーションも豊かなのです。


コート・ド・ニュイ地区

特級格付けピノーノワールの精緻

「ニュイ」が意味する「夜」は、ピノ・ノワール種のブドウで造る透明感のある色濃いワインを連想させます。
ここでは赤こそが、ブルゴーニュのみならずフランスを代表するような堂々たる味わいとなります。

ニュイ・サン・ジョルジュの赤は、レストランでとても人気があります。
この村は生産量が多くて名前がいいという他に、ピノ・ノワールの豊かな果実味が存分に楽しめるのが大きな理由です。

ピノ・ノワールは世界各地でワインになっているにもかかわらず、コート・ド・ニュイのワインは独特のミステリアスなイメージ、そして深い風味で愛好されています。

この地域の特級畑は、ラ・ロマネ・コンティなどの単独所有畑から、80人以上が分割所有するクロ・ド・ヴージョまで含めて、24か所。

特級畑ミュジニーで赤白とも認められる以外、ラベルに「グラン・クリュ」と表記できるのは赤のみです。

特級畑がどこまで素晴らしさの高みに上ることが出来るかを知るには、優れた生産者の作品を飲む以外にありません。

コート・ド・ニュイというラビリンスに踏み込み、その魔力の虜になるのは、実に心地良いことかもしれません。


【コートドール地区の村別特級畑】

コート・ド・ニュイ地区

ジュヴレ・シャンベルタン村

シャンベルタン
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
シャペル・シャンベルタン
シャルム・シャンベルタン
マゾワイエール・シャンベルタン
ラトリシエール・シャンベルタン
マジ・シャンベルタン
リュショット・シャンベルタン

モレ・サンドニ村

クロ・サンドニ
クロ・ド・ラ・ロッシュ
クロ・デ・ランブレイ
クロ・ド・タール
ボンヌ・マール

シャンボール・ミュジニー村

ミュジニー
ボンヌ・マール

ヴージョ村

クロ・ド・ヴージョ

フラジェ・エシェゾー村

エシェゾー
グラン・エシェゾー

ヴォーヌ・ロマネ村

ラ・ロマネ
ラ・ロマネ・コンティ
ロマネ・サンヴィヴァン
リシュブール
ラ・ターシュ
ラ・グランド・リュ

コート・ド・ボーヌ地区

ラドワ・セリニー村

コルトン
コルトン・シャルルマーニュ

アロース・コルトン村

コルトン
コルトン・シャルルマーニュ
シャルルマーニュ

ペルナン・ヴェルジュレス村

コルトン
コルトン・シャルルマーニュ
シャルルマーニュ

ニュリニー・モンラッシェ村

シュヴァリエ・モンラッシェ
バタール・モンラッシェ
ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ
ル・モンラッシェ

シャブリ地区

シャブリ村

レ・クロ
レ・プルーズ
ヴァルミュール
ヴォーデジール
ブランショ
ブーグロ
グルヌイユ